オクニョ 運命の女 | 海外ドラマ女子会

2016年に韓国で放送された「オクニョ運命の女」は、最高視聴率22.6％を獲得した大人気ドラマ。「チャングムの誓い」や「トンイ」など日本でもお馴染みのヒット作を生み出した巨匠イ・ビョンフン監督の長編時代劇ドラマである。
日本でも放送前から注目を集め、2018年にNHK総合で放送が開始されると深夜枠でありながら高い評価を獲得した。主演を務めたチン・セヨンや岡田准一似のコ・スも人気俳優となり、日本に多くのファンを獲得している。
「オクニョ運命の女」は16世紀半ば、朝鮮王朝第13代王・明宗が統治していた時代を舞台にしている。韓流ドラマブームの先駆けになった「チャングムの誓い」のすぐ後の時代だと考えれば、韓国ドラマファンには伝わるだろう。
監獄で生まれ育った主人公オクニョが困難に立ち向かいながら成長し、自身の出生の秘密を探っていくというストーリーになっている。今まで実在した人物を元に時代劇ドラマを制作してきたイ・ビョンフンが、本作では架空の人物を主人公にしている点が大きな見どころといえるだろう。
全51話なのでサクッと見られる量ではないが、実在する歴史上の人物と架空の主人公が繰り広げる物語は、先が読めない楽しさがあり、見始めたら止まらない作品だ。女性ファンが多い韓流ドラマだが、本作は迫力あるアクションシーンもあるので男性でも楽しめる作品になっている。

16世紀半ば、朝鮮王朝第13代　明宗（ミョンジョン）王の時代。刺客に追われて重傷を負った妊婦が監獄に逃げ込む。女は女の子を産み落とすと名前を告げることもなく、力尽きて亡くなってしまう。困った役人のチョンドクは、生まれた女の子にオクニョと名付けるとそのまま監獄で育てることにした。

オクニョは監獄にいる様々な囚人からスリや詐欺、占いなどを教わりながら立派に成長していく。とくに地下の監獄に囚われていたパク・テスは武術や薬など多く知識をオクニョに与えてくれた。

大人になったオクニョは、母の死の真相を探るために捕盗庁に就職しようとするが、男性役人より強く賢いことが問題になり試験で落とされてしまう。落ち込むオクニョだったが、彼女の強さに目を付けた体探人の組織からスカウトがある。体探人とは密偵の仕事をする人たちで、オクニョは捕盗庁以上に母の調査に役立つと考え、誘いを受けることにするのだが…。

本作の最大の見どころは、ヒロインと3人のイケメンによる三角関係ではなく、四角関係。最初からずっとオクニョが好きなのはテウォンのみと分かっているものの、恋愛ゲームの主人公のように誰と付き合うとどんな恋愛になるのか、想像するだけでも楽しくなる設定が女心をくすぐります。

ストーリーが進むにつれて、ヒロインを取り巻くイケメンたちも、それぞれに複雑な因縁を持つようになるので、殺し合いにならないか見ているほうがドキドキさせられます。ただ、最終回まじかにオクニョが王女様だと判明したことで、果たしてテウォンと結婚できるのか謎に感じました。もともとテウォンは庶民出である自分の身分を気にしている描写があったので、なかなか昔のようにイチャイチャできなくなりそうな雰囲気がします。

最終回ではみんなが幸せに暮らすハッピーエンドが描かれましたが、オクニョとテウォンについては仲良く仕事をしているところが描かれているだけでした。
少々物足りない感じがしましたが、史実では明宗がこの1年後に死去することになっているので、さすがに5年後を描くことはできなかったのだと思います。

イ・ビョンフン監督作品では、同じキャストを起用することが多いので、本作でも「チャングムの誓い」や「トンイ」の出演で知られる名脇役が大勢出演していました。お馴染みの俳優が今度はどんな役柄で出演しているのか、探しながら視聴するのもイ・ビョンフン作品の楽しみかたのひとつといえるでしょう。

全51話もあると登場人物の関係性が分かりづらくなるので、相関図を見ながら視聴するとあらすじが理解しやすくなっておすすめです。時間の問題もあるので長編ドラマを一気見するのは難しいですが、動画配信を使えば隙間時間に少しずつ鑑賞することができます。「オクニョ運命の女」は今のところ地上波の再放送が予定されていないので、動画配信サービスのトライアルを利用して無料動画を楽しんでみてください。