クローク＆ダガー | 海外ドラマ女子会

『クローク＆ダガー』は2018年から2019年にかけてアメリカのFreeformで放送されたヒーローもので、MCU作品のひとつ。不思議な能力を手にした男女が助け合いながら、悪と戦うストーリーが描かれている。本作はマーベル・コミックの登場人物を元に制作されており、全2シーズンで完結済み。同じくマーベルシリーズである『ランナウェイズ』シーズン3では、クロスオーバーする展開も。一時期はディズニープラスでの取り扱いもあったが、現時点では配信終了している。現在、日本語字幕のみHuluで配信中。吹き替え版の配信は未定とされている。

同じ日に大切な人を亡くし、臨死体験をしたタイロンとタンディは、不思議な力を手にいれる。人種も性別も異なる2人は、何度も引き寄せられるうちに互いが欠かせない存在なのだと気づき、手を取り合ってそれぞれの悪と戦う覚悟を決める。

『Marvel's Cloak & Dagger』というマーベル・コミックが原作となる本作は、同じ日に大切な人を亡くし、臨死体験をした少年少女が不思議な能力を手に入れ、悪と戦うヒーローもの。

主人公となるタイロンとタンディは、はっきりとした年齢については触れられていませんが高校生程度の男女。
思春期真っ盛りの、いちばん複雑なお年頃です。

特に2人は生活環境や過去の経験で大きな問題を抱えていて、性格にもやや難あり。
タンディはもともとバレエが大好きな子どもでしたが、レッスンの帰りに父を亡くした挙句、父が爆発事故の陰謀者という汚名をきせられてからは人を騙して金品を奪うように。母親もすっかり様変わりしてアルコールやドラッグに依存し、タンディを取り巻く環境は荒みきっています。

タイロンは慕っていた兄ビリーが警官に射殺されるのを目撃するのですが、その事実は汚職警官たちによってもみ消され、ただの事故死という扱いに。黒人差別の背景もあるため強く出られず、嘆き悲しむ両親のために心を押し殺して優等生として過ごしますが、実際はずっと怒りを抱えています。

かたや利口な高校生、かたや泥棒を生業とした少女…と、普通に暮らしていれば相容れぬことのなかったであろう2人。
ですが2人は偶然にも同じパーティーに参加し、タンディがタイロンの財布を盗んだことがきっかけで知り合います。

財布を盗まれたことに気づいたタイロンはタンディを追い、捕まえるのですがその際にお互いの能力が発動。タイロンの手からはもやのような闇が、タンディからは目もくらむような真っ白な光をまとうダガーが出現し、お互いがふれた瞬間に衝撃波でふっとんでしまいます。

最初は能力についてもわからないことだらけで、発動条件も能力の内容も不明。
そのせいでタンディは昔騙した相手に襲われそうになった際、意図せず相手をダガーで刺してしまうし、タイロンは寝ている間に見知らぬビルの屋上に移動していたりと、能力をえて得をするどころか翻弄されてしまうように。

最初は子どもらしく、ただ混乱するばかりの2人でしたが少しずつ自分たちの能力や繋がりを理解しようと前向きになっていく様子は、観ていてとても力強さを感じます。

そして、能力は奪われたものを取り返すためのチャンスなのかもしれないと結論を出した2人は、それぞれの向き合うべき悪と戦うことを決意。
特に、逃げ癖のあったタンディが逃げない選択をしたシーンはキャラクターの成長を感じられます。

ヒーローものでありながら、本作はどちらかというと「未熟な正義感」に焦点を当てた作品です。スーパーパワーを手にいれて困っている人をバンバン救っていく格好いいヒーローというよりは、良い世界にしたいと願いながらも思ったようにいかない未熟さが目立ちます。
それでも諦めず手探りで世界を良くしようと願う2人の姿は、きっと応援したくなるはずです。

そして反発しあう力ゆえに直接触れられないという、じれったいハンデを抱えた2人の間に少しずつロマンスが芽生えていくところも見逃せません。

クローク＆ダガーはMCU作品としてはマイナーですが、主人公のタイロンとタンディは、クロスオーバーでアベンジャーズにも登場します。
アベンジャーズが好きな人は、こちらの作品も観ておくとより楽しめますよ！

【※追記 2021年6月13日】
残念ながら、Huluでの配信は停止となっています。現在すべての動画配信サービスで配信されておらず、視聴するにはTSUTAYAのDVDレンタルを使用する方法しかありません。